糖尿病患者におすすめのエクササイズ4選

糖尿病患者におすすめの運動は、糖尿病の発症段階に応じて異なります。ここでは、糖尿病のさまざまなタイプと合併症に最適なエクササイズをご紹介します。
糖尿病患者におすすめのエクササイズ4選

最後の更新: 05 1月, 2021

慢性疾患を発症すると、 治療処置においては、投薬計画だけでなく患者の食生活と運動を体系化することも困難な課題となります。糖尿病患者にとって、どの運動が適切であるかを理解することが重要であり、その結果、患者は様々なリスクにさらされることなく、運動の利点を得ることができるでしょう。

糖尿病を発症すると、体内における糖の代謝が変化します。これは、筋肉が栄養素をどう使用できるかに影響を及ぼします。糖尿病の治療においては、ブドウ糖を細胞に取り入れるために体の持つ様々な力を最大限に活用することが不可欠です。

長期的に見ると糖尿病患者に何が起こるか?

運動は糖尿病治療の基礎となるものの一つです。糖尿病は代謝の病気と言えるため、体内の代謝に影響を与えるすべてのものは、病気の進行を、良くも悪くも変化させることがあります。

糖尿病には2つのタイプがあります。1型糖尿病は、ブドウ糖を体の細胞に運ぶホルモンであるインスリンが完全に不足しています。また、2型糖尿病では、体内に十分なインスリンが存在する場合でも、体の細胞はインスリンの作用に抵抗し、インスリン受容体への反応が低くなります。

糖尿病を治療せずに放置すると、時間の経過とともにどちらのタイプの糖尿病患者にも合併症が現れ始めます。

具体的な合併症

病気の慢性的な性質のために、体のシステムと器官は次第に損なわれます。糖尿病の潜在的な合併症のいくつかを次に示します。

  • 末梢神経障害:糖尿病性ニューロパチーは、糖尿病の一般的な合併症です。患者は、ニューロン、特に下半身の神経伝達の変化に気づき始めます。これらの変化は、とりわけ指と足指に触れらても気づかないなどの感度の喪失を引き起こします。
  • 糖尿病網膜症:体内の循環が全般的に低下するため、眼球への酸素不足に悩まされます。その後、静脈壁に適切な厚さがない新生血管の作成を開始しますが、これらの弱い静脈壁は、網膜組織に蓄積する早期の破損と出血を引き起こします。中期的に現れる影響は視力の喪失です。
  • 糖尿病腎症:腎臓系の合併症は糖尿病患者の重要なポイントです。不十分な体内循環と、尿から排出される糖からの直接的な影響により、腎臓のろ過能力が損なわれます。最悪のケースの場合、腎不全は、体がミネラルや電解質を体内に保持できないことを意味します。治療を行わないまま長期間が過ぎてしまうと、患者は透析を開始する必要が生じます。
  • 心血管系疾患:糖尿病患者では心血管系疾患を発症するリスクが高くなります。糖尿病患者の方が他の人々よりも急性心臓発作、脳卒中、心不全の発生率が高くなります。また、糖尿病患者は高血圧になるのが一般的です。
糖尿病患者におすすめのエクササイズ4選 血糖値を計測する

糖尿病患者の合併症に応じた推奨運動

糖尿病患者が持つ合併症に応じて、さまざまな運動やスポーツのお勧めがあります。運動プログラムを計画するときは、病気の進行性の影響を考慮することが非常に重要です。これは運動に制限があるからです。患者がどのような運動を実践できるかは糖尿病の進行の影響を受けた臓器などにより異なります。

1.糖尿病性ニューロパチー患者のためのスポーツ

末梢神経障害の症状の大部分は下肢に現れるため、脚に影響を与えない運動を行うことが重要です。患者は、下肢の怪我を予防し、脚をかなり多く使う必要があるスポーツなどは避ける必要があります。

水泳はお勧めの運動の一つです。また、ジムの器具を使って行う上半身のエクササイズ、筋肉増強、そしてマシンでの運動などを行う方法もあります。ただし、無酸素運動を多く行わないように注意する必要があります。糖尿病患者は、脈拍を上げすぎないように注意しながら、エアロバイクを行うのも良いでしょう。

2.糖尿病網膜症患者向けの運動

糖尿病網膜症を発症している人が運動を行うと、逆効果になり視力を失う可能性があります。それは、運動が網膜症を悪化させる可能性があるからです。そのため、眼科医の検診で網膜症を発症していることがわかったら、先に網膜症の治療を行ってから、運動やスポーツを行なって良いか調べる必要があります。

網膜症の場合、紙のように薄い壁を持つ小さな静脈が壊れてしまうリスクがあります。そのため、患者は頭部外傷を引き起こす可能性のある運動やスポーツ、そして突然の頭の動きなどを含む運動やスポーツを避ける必要があります。Nepal Medical College Journalが推奨しているように、糖尿病網膜症の方にはヨガが推奨されています。ヨガを含むストレッチ系のエクササイズは、身体を活発に保つための良い選択肢の一つと言えるでしょう。

3.糖尿病腎症

糖尿病を発症すると、糖尿病腎症という腎臓の合併症を発症するリスクが高くなります。腎臓は、水分補給の調整と血液のろ過に関する問題を抱えることになります。このことを念頭に置いて、どんな運動をする場合も、腎臓を保護するだけでなく体内の水分と電解質のバランスに注意を払うことが大切です。

糖尿病腎症を発症している患者は、主に有酸素運動であるスポーツや運動を行うことができる可能性がありますが、もちろん、患者が心拍数を上げすぎないように心拍数の上昇を制限することが主な推奨事項となります。

患者は、運動中の水分補給を誰かにしっかりと監督してもらう必要があります。これには、適切な量のナトリウムとカリウムの摂取量の監視を含んでいます適切なスポーツドリンクはバランスを保つのに役立ちます。

糖尿病患者におすすめのエクササイズ4選 水分補給

4.糖尿病患者向け心臓の健康に良い運動

心血管疾患を発症するリスクの軽減を目的として、糖尿病患者は1日30分以上有酸素運動を行うことをお勧めします。もちろん、患者が運動できる健康状態であることが前提です。

動脈への健康リスクがあるため、糖尿病患者は高強度の運動を行うべきではありません。一般的な推奨事項は、最大心拍数の最大80%を維持しながら運動することです。ただし、Brazilian Society of Cardiologyが発表した糖尿病患者を対象とした研究では、最大心拍数は70%を超えてはいけないと結論づけられました。

運動の前後に患者の血糖値をチェックすることは、運動を行う時にお勧めの良い習慣です。血糖値のチェックを行うことにより、患者は運動後に炭水化物の摂取量を増やす必要があるかどうかを確認できます。 1型糖尿病の人は、運動の前後に血糖値を観察することで、迅速なインスリンの作用が必要かどうかを確認することもできます。

運動をやめてはいけません

糖尿病を発症しているからといって、運動をやめないことが重要です。もちろん、患者は自分の病気の許容範囲内で運動をしなければなりません。糖尿病患者が運動を行わないと、糖尿病の状態が悪化する可能性があるため、長期的に見ると良くない結果になるでしょう。

糖尿病の場合は、現在の状況に適した運動の選択肢を医師に相談してください。現在の症状と合併症、服用している薬、血圧と血糖値に応じて、リスクを最小限に抑えるための適切な運動計画を立てることが大切です。糖尿病患者向けの運動は、努力をして行う価値がありますよ!


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