ランナー下痢の原因と予防法について

15 9月, 2020
ランナー下痢という言葉を聞いたことはありますか? 実は、ランナー下痢とは、多くのマラソンランナーに影響を与える健康上の問題です。今回の記事で説明するように、幸いにもランナー下痢を予防するためにできることがいくつかあります。
 

長距離ランナーやマラソンランナーならば、誰もがランナー下痢について知っていると言っても過言ではないでしょう。スポーツ医学の世界では一般的な、多くの人に知られている問題です。

ざっくりと説明すると、ランナー下痢は、一般的な下痢のすべての症状を伴います。つまり、便通がより頻繁になり、便が緩くなります。原則的に、便通が起きてトイレに行くのは、1日に3回までが正常と見なされます。

ただし、ランナー下痢を引き起こす可能性があるからといって、運動やスポーツを止めることはできません。実際にスポーツは、蠕動運動を調節するのに役立つため、頻繁に消化器系の問題が起こる人にはスポーツをお勧めします。また有酸素運動は、私たちの体をリラックスさせ、胃腸での出血や胃潰瘍などに関連する症状を軽減するのに役立ちます。

ランナー下痢の原因

運動に関連した下痢が起こるランナー下痢は、根本的な原因を特定するのに苦労することがよくあります。この場合、複数の異なる治療法を試すことを勧められますが、これは混乱を招く可能性があるだけでなく、効果はほとんどありません。

ランナー下痢の主な原因の1つは不安です。これは、より厳しいレベルで競争するエリートアスリートの場合には、特に明白な下痢の原因の一つになります。この場合の下痢は、重要な競技会の前日または朝に現れ始める場合があります。

不安が原因の下痢の症例を治療する最も良い方法は、セラピストへの相談です。不安感を解消しない状態を続けると、引き続き胃腸に問題が生じます。

 
ランナー下痢の原因と予防法について 腹痛に耐えるランナー

一般的なもう一つの原因は、ランニング中に起こる腸の実際の揺れです。ランニングによる腸への揺れが透過性を変化させ、摂取した食べ物が吸収されにくくなります。これにより、便が緩くなり、排便回数が増加します。

アスリートの食生活によって、ランナー下痢を発症するかどうかが決まる場合があります。たとえば、一部のアスリートは、体重をコントロールするために大量の食物繊維を摂取する食生活を送りますが、食物繊維の過剰摂取により、過剰な蠕動運動を引き起こす可能性があります。

一方、ジェル状のドリンクもランナー下痢を引き起こす大きな問題になる可能性があります。このタイプの飲み物は、多くの場合、競技中にエネルギーをすばやく放出するために使用されますが、一部のドリンクには、腸が処理できないグルコースを多く含んでいる可能性があることに注意しましょう。

ランナー下痢

幸いにも、ランナー下痢の予防に役立ついくつかの方法があります。これは、すべてのアスリートにお勧めの基本的なガイドラインで、良い健康習慣を、トレーニングルーチンの一部として取り入れるというシンプルな方法です。

1つ目の推奨事項は、食事中の食物繊維量を調整し、ガスを発生させない食品を選ぶことです。食物繊維を大量に摂取する場合、毎日のトレーニングセッションが終わってから摂取することをお勧めします。

 

カフェインは蠕動運動を刺激する可能性がある物質なので、レースの6時間前からは、コーヒーを飲まないようにしましょう。また同じことは、ソルビトールを含むすべての食品(甘い食べ物や砂糖入りのクッキーなど)、そしてそれを含む栄養補助食品にも当てはまります。

さらに、脱水症は腸の透過性と深い関連があるため、十分な水分補給が重要です。ランナー下痢は電解質障害を引き起こし、低ナトリウム血症と虚脱症状を引き起こす可能性があります。

また、抗炎症薬は処方箋なしでは、決して服用してはいけないことに注意してください。これは、胃腸の問題を引き起こすことが知られている非ステロイド系の抗炎症薬に特に当てはまります。関節や筋肉の痛みには、少量のパラセタモールが最適ですが、必ず医師に相談し、医師の処方による薬だけを服用する必要があります。

予防と栄養

自分の体が必要とするカロリーニーズを満たし、それぞれの消化器系器官に合う食事計画を立てることに加えて、食生活に加えるべきサプリメントがあります。それがプレバイオティクスで、手軽で簡単に腸の粘膜を保護するのに役立ちます。

ランナー下痢の原因と予防法について プロバイオティックス

ニンニク、タマネギ、ネギなどの野菜や果物などの食品に含まれるプレバイオティクスは、消化器系に生息する自然な細菌を増やすのに役立ちます。このタイプの細菌叢は、下痢への強力な防御となります。

プレバイオティクスの摂取だけでなく、食物繊維の摂取量を調整することの重要性を改めてここで説明します。アスリートの場合、1日約28gの食物繊維が十分な摂取量ですが、レースなどの前に体重を減らそうと、食事に含まれる食物繊維の量を増やす傾向があります。

 

競技前に数キロを減らす場合、簡単に食事の変更をするだけでは体重は減りません。このような場合は、常にスポーツ栄養を専門とする医療専門家に相談することが最善の方法です。

ランナー下痢は予防が可能

今回ご紹介したように、ランナー下痢は深刻な健康状態ではありませんが、非常に不快になる場合があります。 走ることを楽しいと感じていても、ランナー下痢が原因で走るのをやめてしまうことがあるかもしれません。これに当てはまる人は、今回の記事を参考に、ランナー下痢の予防方法を見つける事が大切です。

今回の記事でご紹介したヒントとアドバイスがお役に立てば幸いです。

 
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