三大栄養素の一つである炭水化物の体内での働きとは?

運動やスポーツを行う人なら、パフォーマンスの低下を防ぎ、怪我のリスクを減らすために炭水化物の摂取が必要だとすでにご存知でしょう。今回は、炭水化物が体内でどのように働くのかを正確に説明します。
三大栄養素の一つである炭水化物の体内での働きとは?

最後の更新: 09 2月, 2021

炭水化物は、体が必要とする三大主要栄養素の1つであり、基本的に糖分、でんぷん、食物繊維で構成されています。炭水化物は本質的にエネルギー源であるため、アスリートやスポーツを行う人にとって非常に大切な栄養素です。今回は、炭水化物が体内でどのような働きをするのかについて正確に見ていきましょう。

ただし、座りがちな生活を送る人にとって、炭水化物はそれほど重要ではありません。これは、座りがちな生活を送る人が炭水化物を避けるべきという意味ではありませんが、健康を維持し、健康上の問題を避けるために、炭水化物の消費を減らすように努めるべきなのは間違いありません。

エネルギーを提供する炭水化物

無酸素運動をする人はエネルギーを糖質に依存します。そのため、パフォーマンスレベルを維持するために炭水化物が定期的に供給される必要があります。

これは、体内での炭水化物の機能によります。Nutrients誌に発表された研究によると、糖質の定期的かつ一貫した供給は、運動後の回復をより促進するのに役立ちます。

高強度の運動の直後に十分な炭水化物を確実に摂取することで、グリコーゲン貯蔵量を高めます。そして、その後の運動において、筋肉が破壊するリスクも軽減されます。また、タンパク質と一緒に炭水化物を消費すると、グリコーゲンの補充が最大化されるでしょう。

ほとんどのアスリートにとって炭水化物が主要エネルギー源となりますが、炭水化物を必要としないスポーツもあります。

三大栄養素の一つである炭水化物の体内での働きとは? 様々な炭水化物

炭水化物をそれほど必要としない運動の例は筋力トレーニングです。筋力トレーニング中に、ケトン食療法を行なっても全く安全であることが科学的に証明されています。筋力トレーニングを行う人にとって、糖質の不足はパフォーマンスレベルという点において大きな問題にはなりません。

炭水化物の二次的機能

炭水化物の主な機能はエネルギーを提供することですが、炭水化物は体内で他の機能を果たす役割も持っています。たとえば、炭水化物は細胞膜の構築にも役立つうえ、細胞に剛性を提供します。

ただ、これらの身体機能を果たすために炭水化物を消費する必要はありません。私たちの体内では、肝臓で、タンパク質と脂肪からブドウ糖を生成することができます。

このプロセスは糖新生と呼ばれ、体の炭水化物のニーズを満たすために、糖質を消費する必要がないことを意味します。

現在推奨されているのは、アスリートや積極的にスポーツを行う人を除いて、炭水化物の摂取量を大幅に減らすように努めるべきであるということです。座りがちな生活を送っている人が炭水化物を食べすぎると、多くの健康問題を引き起こす可能性があります。

現在の研究では、糖分の摂取量を減らすことで癌患者の腫瘍の成長を遅らせることができるかどうかを調べています。最新の研究結果はとても興味深いものですが、これは炭水化物を完全に避ける必要があるという意味ではありません。実際に自分が消費する炭水化物の量を知り、適量を摂取することが大切です。

三大栄養素の一つである炭水化物の体内での働きとは? ランニングをする男女

すべての炭水化物が同じではない

同じ機能を実行しているにもかかわらず、血流に吸収されやすいかどうかに応じて、炭水化物を分類できます。その中でも、高グリセミック指数と低グリセミック指数の2つのグループが重要で、高グリセミック指数の炭水化物のグループは、体に最も有害な単糖で構成されています。

低グリセミック指数の炭水化物は複雑な糖であり、体にとってはるかに有益です。この炭水化物に含まれるものの一つは、腸の通過に重要な役割を果たす食物繊維です。

炭水化物はエネルギー源となる

まとめると、炭水化物の主な働きは体にエネルギーを提供することです。そのため、座りがちな人など、あまり活動的でない人は、炭水化物の摂取量を減らすか、より頻繁に運動を開始するのが理想的です。

ただし、アスリートや定期的にスポーツを行う人々、特に無酸素運動を行う人々は、パフォーマンスレベルを維持し、怪我のリスクを減らすために、定期的かつ一貫した糖質の消費を行い、体内に供給する必要です。また、炭水化物の供給源を選択するときは、最も健康的である低グリセミック指数の炭水化物を常に優先的に摂取する必要があります。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Alghannam AF., Gonzalez JT., Betts JA., Restoration of muscle glycogen and functional capacity: role of post exercise carbohydrate and protein co ingestion. Nutrients, 2018.
  • Shaw DM., Merien F., Braakhuis A., Maunder ED., Dulson DK., Effecto of a ketogenic diet on submaximal exercise capacity and efficiency in runners. Med Sci Sports Exerc, 2019. 51 (10): 2135-2146.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。